映画のはなし

観た映画のメモ

「クワイエットルームにようこそ」を観た

星になった少年」のDVDに入っていた、最新リリース情報(本編の前に流れるやつ)におもしろそうな邦画がたくさんあって、邦画もいいかも!邦画も今後観ていきたいな!と思った。

というわけで、早速その最新リリース情報の中で紹介されてておもしろそうだったから借りてきた。精神病院が舞台の邦画、「クワイエットルームにようこそ」。

 

以下あらすじ。

28歳のフリーライター・佐倉明日香は、ある朝目覚めると見知らぬ白い部屋にいた。そこは「クワイエットルーム」と呼ばれる、女子専用の精神病院閉鎖病棟。ストレスの捌け口として大量摂取した睡眠薬が原因で意識を失い、オーバードースを患った自殺志願者と間違えられてしまったのだ。突如として放り込まれた異質な環境に戸惑う明日香であったが、尊大な看護師・江口や入院初日に出会った少女・ミキ、元AV女優の西野ら個性的な患者達と接し、次第に閉鎖病棟に馴染んでいく。同時に日常から離れた明日香は、自身とその人生を見つめ直し始める。退院に向けて、奇妙な仲間たちと過ごす14日間が始まった。

(クワイエットルームにようこそ - Wikipediaより、2015.11.21現在)

 

つまり、ストレス爆発してああもうやってられん!ってなって、やけくそで睡眠薬飲みまくったら死にそうになってしまった。病院へ搬送される。その死にそうになった行為が「自殺願望からの行為」と間違えられ、女子専用の専用病棟に入れられてしまったわけですな。自殺はさせちゃいかん!と。んで、そこにいた個性的で奇妙な患者たちと過ごした退院までの14日間を描いた映画、というわけですね。

 

 この映画を観て思ったのは以下3点ほど。まず僕は邦画のコメディには拒絶反応が 出てしまうということと、それと精神病院が舞台でもこういう映画が作れるのかってことと、あと蒼井優はなんかとても凄いってこと。

 

日本のコメディで笑いたいんだが…(笑えないのは僕が未熟だからかなぁ?)

 日本のコメディ、なんか馴染めないんだよなあ~。例えばさ、現実の人間関係でさ、ウケ狙いの必死なボケとか、そういう言動ってさ、おもしろいって感じられないと見てる方が心苦しくなっちゃうじゃない?いたいたしいな、みたいな。いつもまじめな人がさ、周りに打ち解けるために無理してはめ外したりする、みたいな。いやこれはほんのちょっと違うかな。

まあ、例外でおもしろい邦画のコメディもあるし、洋画のコメディの中にもおもしろくないと感じるものはあるけど、邦画のコメディには特に痛々しさを感じるものが多いんだよなあ。なんでだろう、このへん要考察です。でもどうしてもこの映画は、“ウケを狙っているのに”笑えるところが少なかったので、それが残念だった。(個人の感想に留めておきます。邦画のコメディ好きな人怒らないで。)

 

精神病院ってこんなんじゃなくない?でもそれがこの映画のいいところ

でも、精神病院が舞台の映画(以下「精神病院系の映画」)としては僕の中では新鮮だった。僕が今まで観た精神病院系の映画は洋画しかなくて、そのどれもが「シリアス」な雰囲気を漂わせることを忘れていなかった。精神病院と言えば心の状態が多くの人とは違う人が行くところで、それはつまりただならぬ雰囲気なのだろう、というイメージがある。先入観を持っている。(言葉が強いだろうか。)そのイメージを(良くも悪くも)描き出すということを怠らない。つまり、こちらの期待を裏切らない。

僕は実際に精神病院に行ったことすらないから、実際のそこがどういう雰囲気でどういうところなのかは一切分からない。だから、ここでは「暗いイメージがあるけど、実際は明るいよ」とかそういうことは一切言えない。でも、僕たちは精神病院をある程度の先入観で捉え、ある程度の先入観で扱っている。

この映画はそういう先入観を裏切っている。コメディだもの。明るいよなそりゃ。(笑えないけど。)精神病院とか鬱をあんなに明るく描いた作品って、実はこの映画だけなんじゃないの?そう考えたらすごいよな。

(でも、さすがに精神の疾患を描く時にシリアスさを完全に無くしてしまうとそれは今度こそ嘘になる。物語の中では、しっかりと人生を見つめ直したり、色々なものと真剣に向き合う姿も描き出されており、もちろんこれもこの映画の見所である)

 

蒼井優ってすごい演技力もってんのな

さて最後3点目。蒼井優は演技がすごいんだね。引き込まれるってのはこういうことかと。終始見とれていたよ。「星を見る少年」の時も思ったけど、演技がこう、すーっと入ってくる。観ている人を心地よくさせてくれる演技だと感じた。

余談ですが、そのうち「愛のむきだし」と言う邦画を観ます。演技がすごい女優としてもう一人、僕がハンパじゃないぞなと感じているのが満島ひかりという女優さんなんだけど、その演技、この映画でたっぷり堪能したいと思います。

 

以上。はあ、コメディの痛々しさを除けばとてもいい映画だったんだな。これ書いてて思った。僕、この映画わりと楽しんでたんだなあ。