映画のはなし

観た映画のメモ

「電車男」(映画版)を観た

僕はオタクではないけれど、クラスの中心からほど遠いような存在だったんで、この映画の主人公には共感できるかもしれないと思って、観てみたわけである。

 

以下あらすじ:

電車内で暴れる酔っ払いから女性(中谷美紀)を助けたオタク青年、通称・電車男山田孝之)。彼女に心惹かれた電車男だったが、これまで女性に縁がなかったので、どうしたらいいかわからない。そこで彼はインターネットの世界に助けを求め……。

(解説・あらすじ - 電車男 - 作品 - Yahoo!映画 より、2015.12.19現在)

 

「女性に縁がなかったので、どうしたらいいかわからない」に共感が持ててしまう。経験値がないとほんと分からないんだよなあ恋愛というのは…。

 

この映画を観て、同じ“経験値がない”という状態でも大きく2つに道が分かれるよな、って思った。その恐らくだめだめな状態からでも、それでも頑張るっていう道に進むか、それともだめだめだからもうだめだっていう道に進むかの2つ。

何も変えたくないんなら後者の道のほうが良いのかもしれない。なぜなら、後者の道、つまりもうだめだと諦める道の方が何も変わらない可能性が高いから。自分も相手も、それを取り巻く状況も。それならそれで皮肉抜きで本当に良いと思う。

でも、変えたいなら前者の、飛び込んでいく道の方が良いと思う。いや、飛び込むというか、飛び込んで、もがき続けるって言う方が正しいかな。ただ飛び込む、そして後は流れに身を任せる、というのは自分の力要求されるのが飛び込む瞬間だけだから意外と楽なんだよな。

恋愛で、恋愛における自分を変えるには飛び込んで、さらにその後ももがく、頑張るっていうことが必要だから、それが苦痛と感じる人にはとても苦痛で、多分そういう人はそう感じているうちは恋愛しなくても良いんじゃないかと思う。もちろんしても良いけど。そうやって苦しむうちに楽しくなってくるかもしれない。

本来、恋愛って楽しいもののはずでしょう。恋愛は良いものだと思っていたけど実は苦しいものでしかない、とかいう人がいるなら、そうやって勝手に苦しむのはいいけど、他人の恋愛の楽しみは邪魔しないでほしい、って思うくらい、恋愛は本当は楽しいものだと思う。

でも、楽しみに固執して、「本来恋愛は楽しいもののはずなんだ、だから頑張らないとだめなんだ」ってなって、苦しい恋愛を楽しみに変えようと頑張るのも違うと思ってしまう。楽しい恋愛は楽しもうとしなくても楽しいと思うから。

 

この映画の主人公は、頑張る方を選んだ。羨ましや、その勇気。僕だったら多分諦めてただろうなと思う。だって本当に住む世界が違うんだもの。「好きです」って飛び込むまではできるかもしれないけど、僕だったらその後は劣等感との戦いになってしまうだろうな。って感情移入してあれこれ考えてしまうほど、この映画はリアルでもあった。

 

おわり。