映画のはなし

観た映画のメモ

「アバター」を観た

興行収入不動の1位だった「タイタニック」を遂に超えた作品「アバター」。

期待して観ました。

 

以下、あらすじ(毎度引用で済ませる予定ごめんください。。)

下半身不随になり、車いす生活を送るジェイク(サム・ワーシントン)は、衛星パンドラにやって来る。彼は人間とナヴィ族のハイブリッドであるアバターに変化を遂げ、不自由な体で単身惑星の奥深くに分け入って行く。慣れない土地で野犬に似たクリーチャーに襲われていた彼は、ナヴィ族の王女(ゾーイ・サルダナ)に助けられる。

Yahoo!映画「アバター」解説・あらすじの項より 2015.11.13(解説・あらすじ - アバター - 作品 - Yahoo!映画)

 

一言で言うと、環境を破壊するのはだめだよ、っていう映画かなあ。

興行収入1位なだけあって、結構圧倒されるものがあった。

思ったことは、せっかく美しい自然を破壊する人間の愚かさと、科学のイメージについての2つ。

 

まず、音楽と映像の綺麗さがすごかった。自然の、人間が手を加えないあるがままの様々がもつ美しさを強く感じた。また、効果音も考えられていたのか、一つ一つ、耳に入る度に心地よさを感じた。

 

でも、最も描きたかったのはこうした自然の美しさではないと思う。その美しさを、美しい様を破壊してしまう人間の愚かさ、これを最も強く感じた。だって、自然の美しさを一番伝えたいなら、人間の愚かさとか破壊とかは邪魔になっちゃうから。

(余談だが、「ARIA」というアニメは、そういう美しさを描いた物語だと思う。この作品は、破壊とか敵とかあるいは凶悪な存在とかは出てこず、本当に美しい部分しか描いていないし、だからこそ伝わるものがある。美しさは対比がなくても伝わると思う。)

作中に出てくる、自然をがっさがっさ破壊する人物たちにすごい怒りを覚えたし、そういう人たちを止めようとする主人公一団に強く感情移入してしまった。「どうしてそこまでして破壊したいんだ、納得できる説明をしてくれ。もっと話し合おうよ、こんなに意見も感情も対立してるんだから。なんでそんなに強行できちゃうの?」って。悲しくて泣いてしまったよ。

 

もう一つ思ったのは、破壊する側が戦闘機とかロボットとか、最新の科学を駆使して破壊活動を行っていたので、とっても科学(技術)が悪いものに見えてしまっていたことについて。

ああいう描き方をしたら、どうしても科学=悪、自然=善って見えちゃう。でも、科学が悪なんじゃなくて、科学を利用して自然を支配したり破壊したりするやつが悪なんじゃないの?こんな描き方しちゃってほんとにいいの?って思いながら観ていた。登場人物の中には、科学的な理由から破壊に反対するグレースという素晴らしい女性科学者がいたけど、多分あれが現実の?科学者でしょう。むしろ、破壊する側は科学的な理由になんて全く基づいていなくて、(政治的な理由とか経済的な理由?)彼らはただ科学を破壊の道具として使っていただけだ。あの映画を観て、「科学(技術)の使い方には注意が必要だな」って思うのはいいけど、「科学ってやっぱクソだな」って思うのは間違い。包丁を使って人を殺した人を見て、「包丁ってクソだな」と思うことと同じ。

 

小さい子どもが、あの映画を観て自然の美しさを認識するのはとてもいいこと。でも、それと同時に科学へのマイナスイメージはもってほしくないな、と思った。